こころ 社会

オリンピックのふるさと

「オリンピックのふるさと」

 

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「オリンピックのふるさとは、ギリシアのアテネです。記念すべき第1回大会の開催地です。1896年に始まった近代オリンピックですが、紀元前776年に古代ギリシアのエリス地方にあるオリンピアで始まったとされています。オリンピアはゼウス神の聖地であり、オリンピア競技はゼウス神に捧げる競技祭として始まったとされています。オリンピア祭典競技と呼ばれていました。」

 

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「オリンピックは、神様に捧げるお祭りなんですね。」

 

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「そうです。現代のオリンピックは、世界平和を究極の目的としたスポーツの祭典ですが、古代オリンピックはギリシアを中心にしたギリシア文化圏の宗教行事でした。ゼウス神をはじめ多くの神々を崇めるための、神域における体育や芸術の競技祭だったのです。」

 

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「そうなんですね。オリンピックと言えば、4年に1回ですけど、それには何か理由がありますか?」

 

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「その理由にはいくつかの説があります。最も有力なのは、古代ギリシア人が太陰暦を使っていたからという説です。現代、一般的に使われている太陽暦の8年が、太陰暦の8年と3カ月にほぼ等しいことから、8年という周期は古代ギリシア人にとって重要な意味をもっていたのです。暦を司るのは神官であり8年ごとに祭典が開かれるようになり、後に半分の4年周期となりました。太陰暦では49カ月と50カ月間隔を交互にして開催されていたようです。」

 

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「太陽暦?太陰暦?」

 

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「太陽暦とは、太陽の周りを地球が一周する日数を基準とした暦です。一方、太陰暦とは、月の満ち欠けを基準にした暦です。」

 

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「天体の動きとか変化で時間の流れを見つけたんですね。」

 

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「そうです。知恵を絞って、そこから規則性を見つけました。未知のところも数多くあって、今の文明よりも高度な文明が栄えていた可能性もあるそうです。さて、オリンピックに話を戻して、古代オリンピックにはギリシア全土から競技者や観客が参加しました。当時のギリシアではいくつかのポリス(都市)が戦いを繰り広げていましたが、宗教的に大きな意味のあったオリンピアの祭典には、戦争を中断してでも参加しなければならなかったのです 。これが『聖なる休戦』です。」

 

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「戦争を中断してでも参加したのですか。神様を大切にしていたのですね。」

 

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「当初は1ヶ月だった聖なる休戦の期間は、最終的に3ヶ月ほどになったといわれています。しかし、紀元前146年、ギリシアはローマ帝国に支配されます。古代オリンピックはギリシア人以外の参加を認めていませんでしたが、ローマが支配する地中海全域の国から競技者が参加するようになり、次第に変容を遂げていきます。さらに392年、ローマのテオドシウス帝がキリスト教をローマ帝国の国教と定めたことで、オリンピア信仰を維持することは困難となりました。最後の古代オリンピックが開催されたのは393年の第293回オリンピック競技大祭です。」

 

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「一度、終わってしまったのですね。」

 

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「そうです。古代オリンピックの火が途絶えて1500年の時が流れた1892年。フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵は、ソルボンヌ講堂で行った『ルネッサンス・オリンピック』と題する講演の中で、初めてオリンピック復興の構想を明らかにしました。その理想は次第に世界中の国々の賛同を得ることに成功し、1896年、記念すべき第1回大会がオリンピックのふるさとであるギリシアのアテネで開催されたのです。」

 

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「今回の開催国は、日本ですね。」

 

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「前回、東京で開催された夏季大会は1964年です。50年以上が経ち、また東京でオリンピックが開催されたことは、とても誇らしいことです。」

 

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「出場されている選手の方々にも頑張ってほしいです。」

 

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「そうですね。オリンピックの起源を忘れずに、オリンピックが世界の絆をより深め、ひとりでも多くの方に幸せを届けられますよう願っております。」

 

 

⭐参考サイト
公益財団法人 日本オリンピック委員会
https://www.joc.or.jp/sp/column/olympic/history/001.html”

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