こころ 自己変革

トリプルアクセル

「トリプルアクセル」

 

🐹
「2017年、当時26歳の浅田真央さんの引退会見があった。」

🐥
「むぎちゃん🐔、玉ねぎ切りながら、泣いてた気がします。」

🐹
「…。感動の引退会見だったな。浅田真央さんは、歴史をつくった偉大な存在だと思うぞ。引退会見でインタビューに答えながら、涙をこらえられなくなり、後ろを向きながら泣いたな。」

🐥
「きっと色んな思いがありましたよね。」

🐹
「ソチ・オリンピックでも、涙を流していたな。自己ベストを更新した最高の演技を見せた後、リンクの上で流した涙があった。バンクーバー
・オリンピックでも、銀メダルを獲った時に流した涙もあったな。」

🐥
「銀メダルを獲ったとき、嬉しかったでしょうね。」

🐹
「違うぞ。あの涙は悔し涙だぞ。」

🐥
「えー。オリンピックで銀メダル獲得したのにですか。」

🐹
「初めてオリンピックでメダルを獲った瞬間。世界第二位という結果だったが、彼女は悔し涙を
全世界の人たちの前で流した。」

🐥
「世界第二位で、悔し涙ですか。」

🐹
「彼女はそれから4年間、銀メダルを枕元に置いて眠ったそうだ。なぜか。それは、あの悔しさを4年間忘れないため。毎日、その銀メダルを見ながら、”なぜ負けたんだ”。その悔しさを、毎日忘れないようにするために、枕元に銀メダルを置いて4年間練習をし続けた。どれだけ毎日練習したか。どれだけの想いを込めて、取り組んできたか。それを想っただけで、彼女の存在の偉大さが
震えるほどわかるな。」

🐥
「銀メダルでは満足できなかったんですね、本気で取り組んできたからこその心境だと思います。」

🐹
「浅田真央さんの演技で有名なのは、トリプルアクセル 。彼女は5歳からスケートをやってきて、21年間1度も休むことなく、練習してきた。なんと彼女は、12歳の時に初めて、トリプルアクセルを飛んでいる。12歳でトリプルアクセルを飛んだ女性は、世界中で彼女一人なんだ。そして、4分間の演技の中で、トリプルアクセルを3回飛んだことのある女性は、今でも彼女しかいない。

🐥
「浅田真央さんにとって、トリプルアクセルは
特別なものですね。」

🐹
「そうだな。実際、彼女が競技を終える決断をしたのは、トリプルアクセルが飛べなくなったから。引退会見の時、インタビュアーの人が
いっぱい彼女に質問をしていた。

例えば、

️「現役を引退するにあたって後悔はありませんか?」

彼女はスパっと、こう答えました。

「私も、思い残すことはないだろうか?と自分に問いかけました。でもその時、何も浮かばなかった。だから私は、後悔はないんだと思います。」

そして、こんな質問もあった。

「もう一度、生まれ変わったら、どんな人生を歩みたいですか?」

という質問。

彼女は、こう答えた。

「スケートをしない人生。」

いかに彼女が、困難や様々な葛藤を乗り越え、21年間スケートに取り組んだかが、よくわかる答えだな。21年間、天才と呼ばれ、金メダル確実と言われ、毎日、毎日、リンクで練習して来た。」

その後、こんな質問をした記者もいた。

「真央ちゃん。トリプルアクセルに、声をかけるとしたら、なんと声をかけますか?」

こんなよく分からない質問に、浅田真央さんは、

「 う〜ん? 」
って真剣に考えて、

それでもう一回、記者に聞き直した。

「トリプルアクセルに、私が言葉を、かけるって、ことですよね?」

意味が分からないので、確認したくもなるな笑。

そしたら記者は、
「はい。」

そっからまた彼女は、グーッと深く考えた。

そして彼女は、遠くを見つめて、こう言った。

「 なんでもっと、簡単に飛ばせてくれなかったの?」

はなちゃんは、分かるか?

この21年間、彼女は、トリプルアクセルに取り組みながら、毎日、毎日、

「なんでもっと、簡単に飛ばせてくれないの?」

そう思いながら、毎日飛んでいた。彼女は練習の時、トリプルアクセルを飛ばなかった日は1日もなかった。21年間、
「なんでもっと、簡単に飛ばせてくれないの?」
って思いながら、食べたいものも食べず、友だちが遊んでいても、遊びたいのも我慢し、恋愛すらも我慢し、彼女は全ての生命の時間を、トリプルアクセルにかけてきた。そして彼女は、2016年。トリプルアクセルを飛べなくなって、引退した。」

🐥
「トリプルアクセルが、彼女の人生そのものですね。」

🐹
「あらためて、気付かされたが、オリンピックの結果は、その時決まっているんじゃない。彼女の日常、21年間の努力のプロセスが、オリンピックの結果であるな。浅田真央さんを見て、本気で思った。本当に伝えたいんだったら、伝えるための努力をするべきだと。

「私にはセンスがない。」

練習をしないで、
「私にはスケートのセンスがない。」

浅田真央さんの前で、言えるわけがない。

「私には、トリプルアクセルが、飛べない。」

それは違う。

飛ぼうとしてないだけ。

そう思った。」

🐥
「浅田真央さんのように、どれだけ全力で飛んでいるか、本気でクルクルクルクル回り続けられるかが大事ですね。」

🐹
「”なんでもっと簡単に飛ばせてくれないの。”
そこで、もがき続けられるかどうか。たとえ上手く飛べなくても、”ちょっとでも”と踏み出し、自分を磨き続けましょう。」

🐥
「はい。ありがとうございました。」

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