車内の約8割の方がスマホの画面を見ていた。
20年前には、想像できなかった光景だ。
20年前、20年後にスマホがこんなに普及していると、誰が予想できただろうか。
たった20年で時代は大きく変わった。
現在生まれた子どもの6割以上の将来の職業は、いまは存在しない職業とも言われている。
本当に変化が激しく、予想できない。
高度経済成長期、みんなとにかく物が欲しかった。
カラーテレビ・エアコン・車。
とにかく、物を作れば売れた。
カラーテレビが発売されたとなれば、みんな買いたくて買いたくて。
しかし、今は違う。
高性能のテレビが出ても、”へぇ〜、良いテレビがあるんだ”くらいの感覚。
ほとんどの日本人は、生活していくための物は持っている。
物の時代から、自分を大事にする時代に変わりつつある。
今の70代以上の人が大事にするものは、食べ物
40〜60代の人が大事にするものは、お金
10〜30代の人が大事にするものは、自分の存在意義と言われる。
若者は、なぜ自分が生まれたかを知りたがる。
食べ物もお金もある。
私たちのおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんのおかげで、本当に裕福な時代になった。
本当に恵まれている。
恵まれているからこそ、自分の生き方を選択できる。
しかし、その選択が辛い。
どうしたら良いか分からない。
自分の存在意義がはっきりしない。
贅沢な悩みが仮想的な不幸にもなる。
学校では教えてもらえない。
労働者としてどう生きるかばかりを刷り込まれる。
そして、大衆に飲み込まれていく。
これで良いはずがない。
電車の発車メロディーだけが、静かに愛おしかった。
それでも、世界は今もきらきらと輝いていると信じたい。